導入4か月で隊員利用率9割。250名の現場管理を支える仕組みの裏側

北海道・東北エリアで警備事業を展開する株式会社WAKABAでは、これまでスプレッドシートやLINEを使って隊員配置やシフトを管理していました。しかし、確認作業がアナログに偏り、ヒューマンエラーの発生リスクが常に伴う点が課題となっていました。

過去に別のシステムを導入した際は、サポート面への不満から現場への定着に至らず、改善の糸口をつかめない状況が続いていたといいます。そこで同社は、新たなソリューションとして「警備フォース」を採用しました。

導入後は、管制業務の工数が約20〜30%削減され、案件確認のために行っていた電話業務も不要に。さらに、約250名に及ぶ隊員への運用浸透も着実に進み、属人化から脱しながら業務標準化を推進する体制を構築しました。今回は、現場で指揮を執る警備事業部 空知・石狩ブロック長の沢目貴文氏に、導入の背景と効果についてお話を伺いました。

────────────────────────────────────────────

<導入前の課題>

・スプレッドシート管理による配置作成の手間と、案件有無を確認する電話業務が負担になっていた
・LINEやメモに依存した管理により、配置漏れや伝達ミスなどのヒューマンエラーが発生していた
・属人的な管理体制により、担当者不在時に業務状況が把握できないリスクを抱えていた

<導入の決め手>
・以前導入した他社システムのサポート不足に対する反省から、迅速なレスポンスへの信頼性を重視
・ドラッグ&ドロップで配置可能な、ホワイトボード感覚の直感的な操作性を評価した
・知人からの紹介に加え、営業担当者が示した手厚いサポートへのコミットメントが魅力だった

<導入後の効果>
・管制業務の工数を肌感覚で20〜30%削減し、案件確認や詳細伝達の電話業務を解消した
・地図上のピン機能活用により、隊員への正確な集合場所指示が可能になり現場の混乱が減少した
・業務プロセスの可視化により属人化が解消され、誰でも管制業務が可能な体制へ移行した

────────────────────────────────────────────


───────────

絶対に許されない配置漏れ。手作業管理につきまとうミスの不安


──警備フォース導入以前の管理体制について教えてください。

当時は、隊員の配置やシフト管理をすべてスプレッドシートで対応していました。管制は5〜6名の体制で、20〜30名単位の「班」に分けて管理する方式です。

スプレッドシート上で「誰が出勤可能か」「どの現場へ配置するか」を都度入力し、連絡は班ごとのLINEグループや個別のLINEアカウントを使う運用でした。上下番の連絡もLINEで受けていましたが、班ごとにアカウントが分かれているため、情報の集約に手間がかかる状況でした。

請求や給与計算についても、事務員が勤怠情報を手作業で集計し、それを社労士へ渡すフローのため、全体としてアナログ寄りで時間のかかる体制だったと言えます。


──具体的にどのような点に課題を感じていたのでしょうか?

最大の課題は「業務負荷の大きさ」と「ヒューマンエラーの発生リスク」でした。警備業務では、現場の穴は絶対に避けなければなりませんが、手作業による管理ではどうしても配置漏れや入力ミスが起こりやすくなります。

さらに、スプレッドシートには直近2週間分の予定しか入れておらず、それより先を登録すると横に長くなり、視認性が極端に低下してしまう問題がありました。結果として、先の案件はパソコン周りのメモや別管理の紙資料など、アナログな方法に頼らざるを得ません。

そのため、スケジュールが近づくたびに「本当に現場があるのか」「工期はいつまでだったか」を毎回電話で確認し、隊員には個別にメールを作成して案内していました。こうした確認作業と連絡業務が非常に大きな負担となっていました。


──これらの課題を解決するために行った施策はございますか?

はい、過去に一度別システムを試験的に導入したことがあります。ただ、運用を進める中で、操作に関する不明点が出た際のサポート対応が、求めるスピードと噛み合わない場面が多く発生しました。

現場の業務は日々動き続けますので、疑問点がすぐに解消されないと運用が滞ってしまいます。結果としてそのシステムは現場への定着が難しく、短期間で見直しを判断するに至りました。

───────────

「いつでも対応します」を有言実行。レスポンスの速さが最大の決め手


──そうしたご経験を踏まえて、改めてサービスを選定する際に重視したポイントは何でしたか?

最も重視したのは「サポート体制」です。以前の導入経験から、システムの機能が優れているだけでは現場に定着しないことを痛感しました。また、運用中に疑問やトラブルが発生した際に迅速に相談できるかも、次のサービスを探す際のポイントにしました。

これらを踏まえて、警備フォースの担当者の方は、最初の提案段階から「サポートには自信があります」「いつでも対応します」と明言してくださったんです。その姿勢は、印象的でしたし、実際のレスポンスも早く、メールでも電話でもすぐに対応いただけたため、安心して任せられると感じたことが導入の大きな決め手になりました。


──類似サービスとの比較検討はされたのでしょうか?

はい、他にも2〜3社ほど比較検討しました。その中で警備フォースを選んだ理由は、機能面の「使いやすさ」が際立っていた点です。

特に魅力に感じたのは、隊員の配置をドラッグ&ドロップで行える機能でした。ホワイトボード上のマグネットを動かすような直感的な操作ができ、アナログ管理の感覚に近いため、実際に操作するスタッフでもすぐに馴染めると判断しました。

加えて、知人から「うちでも使っている」「使いやすくて助かっている」という声を聞いていたことも後押しになっています。同業他社からのポジティブな評価があったことで、導入に踏み切る際の不安が払拭さたんです。

───────────

管制工数を30%削減。電話確認ゼロで実現した劇的な業務改善


──導入後、業務効率は具体的にどの程度改善されましたか?

体感としては、全体の業務工数が20〜30%ほど削減された印象です。先ほどもお伝えしたとおり、以前は直近の予定しかスプレッドシートに入力していなかったため、先の案件は毎回電話で確認する必要がありました。現在はシステムで長期の予定まで一元管理できるため、こうした確認作業が完全に不要になりました。

加えて、上下番の報告もLINEで完結するため、「現場が終わったのか」「残業していないか」といった状況がリアルタイムで把握できます。確認漏れの不安がなくなった点は、現場管理の精度向上にもつながっています。


──以前と変化した事務作業などはございますか?

大きな変化の一つが距離計算です。導入前は、現場までの距離に違和感があれば、Googleマップを開いて手作業で距離を測り直す必要がありました。

導入後はシステム上で自動計算されるため、事務作業が大きく省力化されています。北海道では住所がない現場もあり、ピン位置がずれるケースもありますが、それは例外で、基本的には正確な距離と金額が自動で算出されます。全体として事務負荷は大幅に軽減されました。


──業務効率によって生まれた時間はどのような業務に充てられていますか?

本来取り組むべき事務作業の前倒しができるようになったほか、隊員とのコミュニケーションに時間を割けるようになりました。

以前は後回しになりがちだった「隊員への電話」もこまめに行えるようになり、業務連絡だけでなく、状況確認などの会話も増えました。組織運営にとって、こうしたコミュニケーションの活性化は良い効果をもたらしていると感じています。

また、配置の人員過多などのミスも減ったため、余計な人件費を防ぐという意味でも、コストメリットが出ています。


──隊員の皆様への浸透はスムーズに進みましたか?

導入当初は新しい運用に戸惑う隊員もいましたが、毎日電話で「アプリを使ってください」「ここを押してください」と丁寧にフォローを続けた結果、約4ヶ月で8〜9割の隊員が問題なく使いこなせるようになりました。

こちら側が代わりに入力してしまうと定着しないため、あえて「自分でやってもらう」姿勢を徹底したんです。スマホ操作が難しいガラケー利用者などは個別対応していますが、大半は問題なく移行できています。


──隊員の方からの評判はいかがですか?

隊員からの評価も高く、特に地図機能が好評です。これまでは住所を文字で送っても、商業施設の入り口など細かな場所までは伝わらず、現場で迷うことがありました。

現在はピンポイントで集合場所を示せるうえ、注意事項も備考欄に記載できるため、「現場に行きやすくなった」という声が増えています。また、希望休の申請もアプリから行えるようになり、隊員側にとっても利便性が向上しているようです。上下番の報告をきちんと行うことで、1日の業務に対する達成感も得やすくなっていると思います。


──業務の属人化については、どのような変化があったかお教えください。

大きく改善されました。以前は5〜6名の管制担当者がそれぞれ独立した形で動いており、誰がどの配置を組んでいるのか把握しづらい状況でした。そのため、担当者が急に休むと、LINE履歴を遡って状況を確認する必要があったのです。

現在はシステム上で全担当者の動きが一目で確認でき、NG隊員の設定も共有されています。特定の担当者に依存しない運用が可能になったことで、誰が担当しても同じ品質で業務を進められる体制が整いました。これは組織にとって大きな成果だと感じています。

───────────

「できる・できない」が明確。信頼を生むスピード対応と透明性


──導入時に重視されていた、サポート体制はどのように評価されていますか?

レスポンスが非常に早く、日々の運用面で大きな助けになっています。LINEでも電話でもすぐにつながり、こちらの要望に対して「対応の可否」「必要な期間」を明確に示してくれるため、安心して相談できます。

以前、私が急ぎで問い合わせた際には、担当の方が電車を降りた直後に対応してくださったこともありました。現場運営に直結する疑問やエラーは、放置すると大きな支障をきたす可能性があります。場所や時間を問わず迅速に対応してもらえることは、非常に心強いと感じています。


──警備フォースはどのような企業におすすめできると思いますか?

マンパワー不足に悩む企業には特におすすめできます。限られた人数で多数の現場や隊員を管理することには、どうしても限界があります。

警備フォースを導入すれば、情報が一元管理され、入力作業が効率化されるため、少人数でも正確かつスピーディに管制業務を回せます。コストパフォーマンスの面でも優れており、アナログ管理からの脱却を図りたい企業にとって、非常に有用なソリューションになると感じています。


写真・文・編集:事例のプロ

リンク先:https://jireinopro.sui-sei.tokyo/

導入事例をもっと見る