警備業において人手不足や高齢化が進む中、業務の効率化は経営上の優先課題です。警察庁も2025年12月に「省力化投資促進プラン―警備業―」を策定し、配置シフト管理、上下番管理や労務管理などのシステム化を警備業DXの中核に位置づけました。このプランでは、2029年度までに警備業の労働生産性を25%向上することを目指しており、補助金を含む支援体制も整いつつあります。

こうした背景から、警備業向けシステムへの関心は高まっている一方、管制業務から給与や請求、帳票管理まで提供されている機能や価格の幅が広く、何を基準に選べばよいか迷いやすい領域でもあります。

この記事では、警備会社の経営者や管理職を想定して、警備業システムの種類・料金相場・選定時の7つのポイント、よくある失敗パターンとその対処法を解説します。


警備業システムとは何か

警備業システムとは、警備業務の運営に必要な業務を管理、効率化するためのソフトウェアの総称です。対象業務は大きく3つあります。

  1. 管制業務:隊員の配置シフト作成、上下番、欠員対応など 
  2. バックオフィス業務:勤怠集計、給与計算、経費精算、請求書作成など
  3. 帳票管理:法定備付書類やその他重要帳票の作成、保存、出力など

どの業務を対象にするかで機能や価格、運用面も変わります。まず自社の課題を整理することが、選定の出発点です。


警備業システムの分類

選定時には「提供形態」と「機能範囲」の2軸で整理すると比較しやすくなります。

提供形態:クラウド型 vs オンプレミス型

比較 クラウド型(SaaS) オンプレミス型
初期費用 安い 高い
月額費用 毎月の支払い ライセンス・保守費中心
追加機能・法改正への対応 自動アップデートで対応 別途追加費用での対応
利用環境 スマホで外出先でもアクセス 社内PC
カスタマイズ性 標準機能の範囲内 個別開発でカスタマイズ可

クラウド型は、初期費用を抑えることができ、警備業法の改正にも提供元のアップデートで追随できます。そのため、中小規模の警備会社にとって運用しやすい選択肢になります。

オンプレミス型は独自要件が強い大規模な事業者向けで、初期投資や保守コストが高くなる傾向です。導入期間も長く、法改正や追加機能への対応に別途費用がかかるケースも多いです。

そのため、近年はクラウド型の導入が主流となっています。オンプレミス型を検討する場合も、クラウド型システムと比較することが失敗しないポイントです。

機能範囲:単機能型システム vs 一元管理型システム

比較 単機能型システム(管制業務のみなど) 一元管理型システム
対応業務 給与計算、勤怠管理など狭い 管制業務、バックオフィス、帳票管理など広い
データ連携 都度、連携が必要 同一システム内で各機能が自動で連携
費用 安くなりやすい 単機能型よりは高くなる傾向
向いている会社 他業務は既存システムで回せており、一部だけ改善したい 業務全体を効率化したい。転記やデータ連携に時間をかけたくない

単機能型は単機能では費用が抑えやすい反面、各機能を連携させる手間や突合が必要になります。結果的に複数のシステムを組み合わせることで、全体コストが高くなる場合もあります。また、後々に別の機能もシステム化したいときに、うまく連携が出来ずに調整に膨大な工数がかかるケースもあります。

一元管理型システムは単機能型システムより高い傾向にありますが、会社全体の工数削減という観点では効果が出やすいケースが多いです。また、一元管理型システムでも、単機能型のように機能を絞って提供している場合もあります。最初はライトなプランで導入し、運用状況を見て利用機能を広げていくという選択も可能です。

どちらが自社に合っているかは、現在の課題がどの業務に集中しているかによります。「まず何を解決したいか」を明確にしてから、単機能型システムと一元管理型システムの両方を比較することが、後悔しない選定の出発点です。


警備業システムの主な5つの機能

警備業システムが対応する機能範囲は幅広いですが、大別すると以下の5つのカテゴリに分けることができます。

  1. 配置・シフト管理:月次シフト、日別配置、資格要件を満たした警備員の割当、欠員対応など
  2. 上下番・勤怠管理:上番・下番報告のアプリ・LINE化、勤怠集計など
  3. 給与計算・請求書作成:現場別単価、有資格者手当、深夜割増の自動計算など
  4. 帳票管理:法定備付書類やその他重要帳票の作成・保管・出力など
  5. 売上・経営分析:現場別・隊員別の稼働状況や収支、利益率の可視化など

単機能型システムは、この中の1つや2つのカテゴリに対応することが一般的です。一元管理型システムは、複数のカテゴリを総合的に提供します。

ただし機能の提供範囲や質については、個々の製品ごとに差分があります。自社が必要とする機能が実装されているか、使いやすいかは必ず確認しましょう。


警備業システム導入で期待できる4つの効果

① 管制業務の省力化

電話による上下番報告は深夜や早朝など特定の時間帯に集中し、管制員の拘束時間を長くする要因になっています。システム化すると電話の一次受けが不要になり、未出発や未上番の検知、リマインドの自動化も実現できます。また、記録が残るため「言った・言わない」のトラブルも防げます。

② バックオフィスの工数削減

シフト→勤怠→給与→請求を別々のExcelやソフトで管理していると、同じデータを何度も転記することになります。一元管理型システムであれば、入力したシフトと上下番報告がそのまま勤怠となり請求書まで連携されるため、転記の手間と集計ミスが同時に解消されます。

③ 法令遵守と立入検査への対応

警備業法に基づく立入検査では法定備付書類の整備状況が確認されます。記入漏れや紛失は行政処分などのリスクにもなります。システム上で一元管理することで、必要な書類を漏れなく管理し、すぐに出力できる管理体制を作りやすくなります。

④ 隊員の働きやすさへの波及

シフトや有給申請がスマホで完結すれば、事務所への電話が不要になります。給与の計算ミス解消も、隊員の不満を減らす要因になります。警備員の65歳以上の割合は34.3%と全職業平均(13.6%)の約2.5倍(警察庁「令和6年における警備業の概況」)に達しており、若年層の比率が低い構造的な人手不足が続いています。そうした中で、デジタル化された働きやすい環境の整備は、若年層の採用と定着に効果的として注目されています。


警備業システムの料金相場と費用対効果の考え方

クラウド型の場合、課金構造は「1隊員あたり月額×利用人数」の従量課金と、機能単位のプラン課金の2種類が一般的です。別途、初期費用(設定・データ移行・操作説明会などの導入支援)が発生するケースも多いです。

機能範囲別の料金目安(隊員50~100名規模)

機能範囲 月額目安
(隊員50名~100名規模)
単機能システム(配置・管制のみなど) 3万円~6万円前後
一元管理システム 5万円~10万円前後

※上記の数値は目安であり、隊員数や提供機能により異なります

隊員数が増えるほど総額は上がります。また、同じ隊員数50名でも、配置と上下番管理だけを導入する会社と、管制や給与、請求や帳票管理まで一元管理したい会社とでは提供する機能範囲が異なるため月額が変わります。自社がどの業務までシステム化したいかを明確にすることで、比較の精度が向上します。

費用対効果の判断軸

月額単体で判断するのではなく、削減できる人件費・管制工数と比べて妥当かという視点で見ることが重要です。夜間の管制配置や月初の請求作業にかかっている時間を月次人件費に換算し、システム料金と比較すると判断しやすくなります。

また、従業員の満足度の向上やDXを推進している警備会社として、採用や定着面での間接的な効果が期待できる場合もあります。総合的な観点で費用対効果を検証することをお勧めします。

警備業システムでお悩みなら

無料で相談してみる


警備業システムの導入に使える補助金・助成制度

警備業システムの導入には、国が主導する補助金制度を活用することで費用負担を抑えられる場合があります。代表的なものが中小企業デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)です。

経済産業省の中小企業庁が主導しており、生産性の向上や労働環境の改善のために、DXの導入及び活用を支援する制度となっています。

※2026年4月時点のものです。導入前に必ず最新情報をご確認ください。

補助金活用時に必ず確認すべきこと

補助金の活用は、警備業におけるDX化を推進する上で重要ですが、注意が必要な点があります。見落とされがちなのがシステム提供者側の適格性です。IT導入補助金などの制度では、サービス提供者が認定を受けていることが申請の前提になります。

認定を受けていない事業者のサービスは補助対象外になるため、「補助金が使える」という説明を受けた場合は、認定番号や登録状況を必ず確認してください。

また、補助金申請の支援をうたいながら、申請書類の内容と実態が乖離した運用をしている事業者の存在も指摘されています。補助金の不正受給は返還・加算金の対象になるだけでなく、申請者である警備会社側にもリスクが及ぶ場合があります。

実績や加盟協会の公開状況などで、信頼できる事業者を選ぶことが、制度を安全に活用する前提です。導入にあたっては必ず最新情報を確認すること、不正行為ではないかを注意してください。


警備業システムの選定時に比較したい7つのポイント

1. 1号・2号への適合度

施設への常駐が基本となる1号警備と、案件ごとに現場・隊員が変わることの多い2号警備では、必要な機能が大きく異なります。1号では繰り返し配置や固定隊員の管理が中心になるため、固定シフトの組みやすさが重要です。2号(特に交通誘導)では、日ごとの配置組み替えや交通費・相性管理が課題になります。自社の主な警備区分に対してシステムがどちらに強みを持っているかの確認が重要です。

2. 上下番報告の方法

警備業システムの導入を成功させるには、隊員が使いやすい操作方法かを確認することが重要です。例えば上下番報告にあたって、LINEやSMSなど使い慣れたサービスに対応しているか、専用アプリのインストールが必須かを確認しましょう。警備員の34.3%が65歳以上という実態があり、ITリテラシーへの配慮は定着率に直結します。

3. 給与・請求計算の柔軟性

現場ごとの単価体系、資格手当、深夜割増など柔軟に対応しているかを確認しましょう。警備業は複雑な給与計算になることが多く、システム導入後に計算が合わないなどのトラブルにつながる場合があります。事前に自社で発生しうる様々なパターンを提示し、対応しているかを確認しましょう。

4. 重要帳票への対応

法定備付書類やその他の重要帳票の管理は警備業を円滑に進めるために重要なポイントです。これらの帳票の作成、保存、出力が可能かを確認しましょう。また、対応と謳っていていても、記載項目が十分ではない、一部の帳票しか対応していない場合もあるので、必ず対応帳票の種類と出力画面を確認することがポイントです。

5. モバイル・クラウド対応

複数の端末での同時接続が可能か、事務所外からシフト確認・承認ができるかを確認しましょう。中小の警備会社では、管制担当者が現場に立つ場合もあります。外出先でも機能が利用可能かを確認しましょう。

6. サポート体制

導入の初期支援や導入後のサポート対応や機能アップデートの頻度を確認しましょう。導入しても定着しなければあまり意味がありません。専任のサポート担当者がいるのかなど、具体的な体制を確認しましょう。一次対応がチャットボットだったり、電話がサポート担当者になかなかつながらず、導入が進まないというケースも散見されるため、事前の確認が重要です。

7. 法改正への対応

法改正に対応しているのか、また警備業特有の事情を加味したサービス設計かを確認しましょう。警備業に精通した人材が開発や監修を行っているかも重要な観点です。実情を加味していないシステムだと、「使いにくい」「対応できないケースがある」など不満に繋がり、定着しないリスクに繋がります。


警備業システムの導入に失敗する3つのパターン

パターン1:高齢隊員が専用アプリを使えない

警備員の34.3%が65歳以上(警察庁「令和6年における警備業の概況」)という業界特性上、新規アプリへの抵抗が出やすい傾向にあります。隊員が使わないまま管制側だけがシステムを触り、現場からの報告は結局電話のまま、という運用では導入コストに見合いません。

対処:LINEやSMS、メールなど隊員が既に使っているツールで上下番報告が完結する設計かを、選定段階で確認します。また、隊長が現場の上下番をまとめて報告できる機能があれば、ITへの抵抗感が薄い方だけが操作を把握すれば良いので、導入ハードルは大幅に下がります。

パターン2:給与体系とシステムの計算ロジックが合わない

警備業の給与は現場ごとの単価、当務・交代勤務、有資格者手当など複雑な計算が必要になる領域です。汎用的な給与計算機能では警備業特有の事情を表現しきれず、計算ミスが多発。毎月確認作業や手作業での修正作業が残ります。

対処:どのような給与体系に対応しているか、様々な勤務体制を考慮しているか、柔軟な運用が可能かを導入時に細かく確認することが重要です。警備業向けに組まれたシステムでも、すべての給与体系や勤務パターンを網羅しているとは限らないので、事前に担当者と必ず擦り合わせましょう。また、正確性や法令への対応という観点では、社労士などの監修を挟んでいるかの確認も重要です。

パターン3:サポートが手薄で定着しない

どれほど使いやすいシステムでも、導入直後は操作に戸惑う場面が発生することがあります。気軽に操作方法を確認できる窓口があるか、どこまで親身に伴走してくれているかを確認しましょう。一次対応がチャットボットのみだったり、サポート担当者への電話が繋がりにくいシステムだと、現場のストレスが溜まり、定着しないケースがあります。

対処 運用開始後のサポートの範囲、専任担当者の有無、電話対応の可否を契約前に明確にしておきます。会社全体の規模感やサポート人員がどの程度組まれているかを確認することも参考になります。


一元管理型の警備業システム「警備フォース」

本記事で挙げた失敗パターンは、いずれも汎用ソフトでは構造的に解消しにくい課題です。警備フォースはこれらの課題を解決しながら、管制業務・バックオフィス業務・帳票管理・経営業務まで、警備業に必要な業務を一元管理する最新のクラウド型システムです。人手不足と法規制が進む今、業務を仕組み化し、 警備会社の成長を支援します。

工数削減の仕組み

配置画面で入力したデータが上下番報告と連動し、勤怠→給与計算→請求書作成まで自動で連携します。現在Excelや複数ツールを組み合わせている会社では、この流れが一本化することで、繰り返される転記作業と集計ミスを減らし、業務効率が改善されます。

高齢隊員への対応

公式LINEでの上下番報告に対応しており、専用アプリのインストールや操作は不要です。ITリテラシーが高くない隊員が多い現場でも、普段から使い慣れているLINEやSMS、メールで報告が完結します。また、隊長が現場の上下番をまとめて報告することも可能なので、定着のためのハードルも最小限で抑えられます。

サポート体制

個社ごとに専任のサポート担当者がつきます。システム導入にあたって実現したいことや業務フロー、勤務体制や給与体系をヒアリングし、最適な形での導入を実現します。また、導入後も定期的なMTGやチャット、電話でのサポートを行いますので、安心感を持って利用できます。

警備業向け一元管理システムなら

警備フォース

\ まずはお気軽にお問い合わせください /

無料で資料を請求する


警備業システムに関するよくある質問(FAQ)

Q. 警備業システムの導入にどれくらいの期間がかかりますか?

クラウド型の場合、設定・データ移行・操作説明を含めて1〜3か月が一般的な目安です。ただし、自社の隊員データや給与体系の整備状況によって前後します。導入支援の内容と期間をあらかじめ確認しておくことで、現場の混乱を防ぎやすくなります。

Q. 隊員が高齢でITに不慣れでも使えますか?

隊員側の操作負荷をどこまで下げられるかが、定着率に直結します。専用アプリのインストールが不要で、普段使い慣れているツール(LINEやSMS、メールなど)で報告が完結する設計のシステムであれば、ITリテラシーが高くない隊員にも受け入れられやすい傾向があります。選定時は「隊員が実際にどう操作するか」を必ずデモで確認しておくことが重要です。また、隊長や責任者がまとめて報告できる機能があるかも、現場への導入ハードルを下げるうえで確認しておくとよいポイントです。

Q. 開業時や小規模(隊員30名以下)でも導入する意味はありますか?

規模が小さくても、月初の請求・給与作業や夜間の電話受付に管理者が張り付いている状況であれば、費用対効果が出るケースは多くあります。まず現在の管制・バックオフィス業務にかかっている月次工数を時間・人件費で試算し、システム月額と比較してみることをお勧めします。また、今後の隊員拡大を見据えた基盤作りとして導入される例も多数あります。

Q. 警備業法の改正があった場合、帳票の様式などは自動で対応されますか?

クラウド型であれば、提供元がシステムをアップデートすることで対応するケースが一般的です。ただし「いつ・どの範囲まで」対応するかは事業者によって異なります。選定時に法改正対応の実績と対応方針を確認しておくことを推奨します。

Q. 補助金を使って導入することはできますか?

システム提供者が所定の認定を受けていれば、中小企業デジタル化・AI導入補助金などの補助制度を活用できる可能性があります。ただし、補助対象となるにはシステム提供者が所定の認定を受けている必要があります。「補助金が使える」という案内を受けた場合は、認定番号を確認のうえ、最新の公募要領で要件をご自身でも確認してください。

警備業システムでお悩みなら

警備フォース

\ まずはお気軽にお問い合わせください /

無料で資料を請求する